国際都市計画・地域計画(城所・瀬田)研究室

都市工学専攻工学系研究科東京大学English ver.
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出版記念シンポジウム『ネオリベラリズム都市と社会格差』
 ネオリベラリズム政策とは、それまでのケインジアン的福祉国家政策に代わって、規制緩和のもとでのマーケット重視の経済政策、社会住宅を含む福祉セクターへの政府支出の削減、減税と地方分権のもとでの国の所得再分配機能の削減等を基調とする政策である。都市政策においては、プレース・マーケティング、特区指定、不動産税等の減免措置、都市開発公社の設立、PPP等のもとでの大規模都市開発の促進、民間活力の活用による経済成長促進、その一方で公営住宅の削減に代表される福祉関連政府支出の削減が、ネオリベラリズムによる都市政策として挙げられる。
 グローバル化の一層の進展と世界的なリベラリズム都市政策の浸透に伴い、大陸欧州諸国や欧米以外の国々の大都市においても大規模都市再生事業が進展し、ジェントリフィケーション、すなわち都市内の低所得層居住地域への富裕層や上位中所得層の進出が、都市内の空間的分断を深化させている。同時に、大都市圏と地方圏の格差も拡大し、かつ固定化が進んでいる。
 従来、実質的に国の関与が強い開発主義体制と規定されてきた日本の政策も、ネオリベラリズム政策が主流化し、その影響はすでに様々な形で表れている。諸外国に比べて分断化の度合いが大きくないと考えられてきた日本の大都市圏の中でも、富裕層と貧困層の住む地域の分断化が着実に進行し、住宅、福祉、雇用など様々な問題を引き起こしつつある。また国土レベルでは、地方圏の衰退と東京一極集中が長らく指摘されてきたが、近年までそれが緩和される兆しは見えない。
 2021年3月刊行予定の東信堂『ネオリベラリズム都市と社会格差』(城所哲夫/瀬田史彦編)は、ネオリベラリズム政策のもとで形成された都市を「ネオリベラリズム都市」と規定し、都市レベルおよび国土レベルの社会格差について、様々な側面から論じている。
 本シンポジウムは、この書籍の内容について2回シリーズで発表する。

【日時】 第一回 3月15日(月)日本と世界の社会格差問題
     第二回 3月25日(木)社会格差の実態と対策
    いずれも19時開始。

【開催方法】オンライン(Zoomによるウェビナー)・要申し込み

【申込方法】以下のGoogle Formでお申し込みください。後日、折り返しZoomのウェビナー(またはミーティング)のアドレスを返信いたします。定員を超えた場合は、申し込みを締め切らせて頂く場合がございます。
  https://forms.gle/QuA7kPY1W1NR4Uzn6


【各回のタイムテーブル】
第一回 3月15日(月)『日本と世界の社会格差問題』
19:00 『趣旨説明』
     城所哲夫(東京大学大学院教授)
19:10 『ネオリベラリズム的地域政策からインクルーシブな地域政策へ』
     菅正史(下関市立大学教授)
19:25 『移民大国になりつつある日本の多文化共生への道筋』
     藤井さやか(筑波大学准教授)
19:40 『欧州における都市の社会的・空間的不均衡と都市政策』
     片山健介(長崎大学准教授)
19:55 『米国のブラウンフィールド再生は何を目指すのか』
     黒瀬武史(九州大学准教授)
20:10 『韓国:開発主義に基づいたネオリベラリズム空間政策と社会格差』
     林和眞(東京都市大学専任講師)
20:25 『タイ:国土構造と地域格差の固定化』
     瀬田史彦(東京大学大学院准教授)
20:40 質疑
21:00 終了

第二回 3月25日(木)『社会格差の実態と対策』
19:00 『趣旨説明』
     城所哲夫(東京大学大学院教授)
19:10 『ネオリベラリズム都市の誕生:東京への一極集中と都市の分断』
     城所哲夫(東京大学大学院教授)・福田崚(東京大学特任助教)
19:25 『現代の国土政策とネオリベラリズム』
     瀬田史彦(東京大学大学院教授)
19:40 『日本における社会格差と住宅政策の歴史的展開』
     大月敏雄(東京大学大学院教授)
19:55 『社会的排除と包摂型地域再生』
     全泓奎(大阪市立大学教授)
20:10 『大都市インナーシティの再生:大阪市西成区に着目して』
     蕭?偉(大阪市立大学准教授)
20:25 『東京圏郊外住宅地の再生』
     後藤純(東海大学特任准教授)
20:40 質疑
21:00 終了

【お問い合わせ】 瀬田(seta[at]urban.t.u-tokyo.ac.jp)までお願いいたします。

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